今年はセ・リーグ王者のヤクルトとパ・リーグ王者のオリックスが直接対決。
2試合を戦ってヤクルトの1勝1分けという状況で第3戦に向かおうとしています。
野球は今年で伝来 150周年を迎えました。
日本の中にできた新たな歴史が、これからまた一歩を歩もうとしています。
そのような中で、今回はプロ野球選手にとって辛い現実である「戦力外通告」について扱った「プロ野球 戦力外通告の衝撃と決断」(美山和也、2013年、宝島文庫)を取り上げます。
野球選手と戦力外通告
プロ野球選手にとって戦力外通告は、事実上のクビを意味します。
「戦力外」という冷酷な言葉は、選手たちを追い込んでいきます。
選手たちは、戦力外通告を球団から受けた場合、次の所属先を探さなければなりません。
その所属先は様々な方法で決まります。例えば、プロ 12球団のトライアウトというものがあります。
トライアウトは現役を希望する選手たちなどが一堂に会し、試合形式のテストを行います。
チームの関係者らはそのトライアウトに足を運び、「ほしい」と思う選手を発掘するわけです。
元気を続行したい選手たちにとっては、トライアウトが再就職の試験になるのです。
野球は孤独なスポーツ
そもそも、プロ野球選手は孤独のスポーツとも呼ばれます。
例えば、ピッチャーはマウンドで1人で立つわけです。
様々なことを考え、様々な戦術を駆使して、相手に自分の投げる球を打たせないのが野球です。
逆にバッターはどうやってピッチャーの球を打つのかどうか決め、それを全て自分のバットに込めていきます。
その両者のぶつかり合いが野球で、一種の「喧嘩」といってもいいのです。
プロ野球選手には、シーズンを戦い抜く強靭な肉体や体力と、先ほど述べたメンタルの面、いわゆる精神力が大切になってきます。
私も一時期は野球選手を目指していましたが、目の病気によりそれを断念。
選手ではなく、スコアラーという職業に目をつけ、中学・高校のときはスコアラーとして野球に携わっていました。
また、大学生になってからはテレビ局のスタッフとして、テレビに映し出される球数の計算や記録の集計なども担当。
裏方から野球を支えてきました。
できるだけ長い選手生活を
たとえ戦力外通告になっても、悲観する事はありません。
まだまだ現役を続行するチャンスは残っています。
今まで支えてくれた裏方さんの為や家族のことを考え、現役を続行するしないの判断をする人ももちろんいます。
私はできればできるだけ長く、選手たちには現役を続行してほしいと考えています。
精神的に辛い職業がプロ野球選手ですが、これからもできるだけ多くの選手がもっとプロ野球選手としてプレイできるよう、裏方という立場から応援していきます。
最後に
今回は、プロ野球選手を戦力外通告という側面から見てきました。
本書はそういった残酷なプロ野球について生々しく描かれています。
プロ野球について少し変わった方向から知りたいとか、戦力外通告を受けた選手は一体どうなるのかといったことを知りたい方は、
本書を読んでみるといいかもしれませんね。