古書と人生

2021年09月24日

第9回「「政権争奪」(戸川猪佐武)と派閥・政治」






今、テレビの政治ニュースと言えば、「自民党総裁選挙」。
9月29日に開票が行われ、9月末に人気を迎える菅総裁の後任を決定します。
自民党の総裁は、過去にも多くの政治家が就任し、日本の政治をけん引してきました。
今回取り上げる本「政権争奪」(戸川猪佐武)は、戦後の混乱期から高度経済成長期までの日本の首相について書かれた本です。
吉田茂、鳩山一郎など、有名な政治家の名前も多く出てきます。この本ではそれらの政治家が生きてい時代に関して、詳しい解説を行っています。
この本を読みながら、派閥と政治について考えていきます。




本のコンセプト

初版発行は昭和57年6月。1980年代前半に出版されています。
この本に書かれているのは、主に第二次世界大戦直後の東久邇宮稔彦王の時代から三木武夫首相まで。
現在の菅首相はもちろん、平成生まれの政治家は出てきません。
この本のコンセプトは「国策決定の魅力と苦悩」となっていて、「戦後政治のマニュアル」と銘打たれています。
さらに元首相の竹下登が解説をしており、大変貴重です。
そして私はこの本を手に取り、「政治」、「派閥」について考えることがあります。




「自民党総裁選と派閥」

その理由は、派閥というものを最近の報道で勉強したからです。
自民党総裁選では、派閥の影響が候補者に及ぼす影響なども検討されていました。
岸田文雄氏は「宏池会(こうちかい)」、河野太郎氏は「志公会(しこうかい)」といった派閥に属しています。
河野氏の派閥は比較的新しい派閥ですが、岸田氏が所属する派閥「宏池会」は歴史の古い派閥です。
宏池会が結成されたのが 1957(昭和32)年。50年以上も続く派閥なのです。
こういった派閥の話も、「政権争奪」に出てきます。
しかも、出てくるのは初代総裁に関しての話。自民党の初代総裁は鳩山一郎ですが、就任に至るまでの動きや派閥抗争について書かれています。




「派閥と世の中は同じ?

派閥の主導権争いなどをテレビやメディアで見ていると、世の中と同じなのだなと思います。
人々は群れをつくり、その群れで行動する。
これが派閥であり、人の性質なのだと思いました。
さらに派閥の力が大きくなると、上に許可を取らなければならず、少し不自由になる。
それが派閥のデメリットなのかもしれないと感じます。
それは同時に、世の中と同じかもしれないと思いました。
人は会社という単位で群れ、行動する。
そして物事の決定には、上の許可をもらわなければならない。
まさに派閥と似た者同士。そう思っています。




「最後に」

自民党総裁選挙は 9月29日に開票を迎えます。
候補は 4人いて、どの候補が勝ち抜けるのか分かりません。
政治に関する本を読むと、このように政治について考えるようになります。
政治について考えれば、さらに勉強したくなり、また本に手が伸びる。
私はその繰り返しで勉強・古本屋目巡りを続けています。
これからも向上心を持って古本屋巡りを続け、新しいことを見つけたいと思っています。



posted by 小林英介 at 11:00 | Comment(0) | 第1回〜第25回
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